このシリーズでは、軽度知的障害や発達障害がある生徒を対象とした自立活動について、A特別支援学校の取り組みを軸に紹介していきます。
※本記事の作成に当たり、A特別支援学校からの許可をいただいています。
今回からは2、3学年で行われた授業実践について紹介します。
2、3学年の授業形態
自立活動は、実態を詳細に把握し、それぞれに応じた目標を設定し、その目標を達成するためにどのような指導を行うかということを教師が自ら考えて取り組むことが重要となります。
つまり、自立活動の指導は生徒一人一人に対してオーダーメイドで行うことが求められます。そこで、A特別支援学校では2、3学年に関しては課題や目標が似通った生徒同士でグループを編成し、自立活動の指導を行われました。
グループ編成は以下の手順で行われました。
心理的な安定が主のグループ:ストレス等への対応やサポートの求め方、変化への対応、柔軟さ、成功体験不足による意欲の低さに取り組むグループ。
人間関係の形成が主のグループ:他者の言いたいことや感情を理解する、自分がどう見られているか考える、集団の雰囲気を感じる・合わせて行動することに取り組むグループ。
コミュニケーション①:自分の考えや気持ちを伝える、他者の考えや仕草を読み取る、選択やジェスチャーなどで気持ちを伝えることに取り組むグループ。
コミュニケーション②:アサーション、SST、場や相手に応じた態度・話題、話の前後や流れの把握や推察することに取り組むグループ。
【現状の把握】→【目標設定】→【計画の策定】→【授業の実施】→【評価・振り返り】という流れがポイントとなりそうですね!
今回はグループで取り組んだ「インタビューしよう」の授業実践について紹介します。
学習活動の流れ
実際の学習活動は以下のような流れで行われました。
インタビューをしよう
インタビューは以下の流れで行われました。
①挨拶 | 「こんにちは」「よろしくお願いします」 |
②自己紹介 | 「A学校の〇〇です」 |
③内容説明 | 「本日は〇○君(さん)の事についてお聞きします」 |
④インタビュー | 「質問は3つあります」 |
⑤感想 | 「話を聞いて、〇〇だと思いました」 |
⑥お礼 | 「お忙しい中、ありがとうございました」 |
⑦挨拶 | 「失礼します」 |
インタビューをした結果は、ワークシートにまとめて全体で発表します。
次回は…
次回の記事では「自立活動の授業の実際⑥-話しやすい話題を考えよう-」について紹介していきます。
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