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【シリーズ】軽度知的障害や発達障害がある生徒を対象とした自立活動(2)【実態把握ツール】

このシリーズでは、軽度知的障害や発達障害がある生徒を対象とした自立活動について、A特別支援学校の取り組みを軸に紹介していきます。

※本記事の作成に当たり、A特別支援学校からの許可をいただいています。

今回は「指導計画に関わる実態把握ツールの紹介」として、「自立活動チェックリスト」「チェックリスト集計表」「自立活動アセスメントシート」の3つについて紹介します。

自立活動チェックリストについて

学習指導要領に明記してある自立活動の6区分27項目を生徒に分かりやすい言葉で書き直したもので、5段階評価に加え、「分からない」「あてはまらない」も追加したできる形式をとっています。

A校の生徒さん(軽度知的障害)は自分で判断・確認できることもあり、授業の中で先生の説明を聞きながら生徒自身でチェックしていくという方法をとっています。また、担任の先生も同様に生徒一人一人のチェックリストを記入するようにされています。

自立活動6区分27項目の内容と、学校に在籍している生徒さんたちの実態を踏まえた項目となっています💡

チェックリストの項目は下記の通りです。

健康(健康の保持)
  1. 起床や就寝などの生活のリズム、食事や整理整頓などの生活習慣、衣服の調節や清潔など、健康に気を付けること。
  2. 病気がある人は、自分の症状を理解し、薬を飲んだり、無理をしないように気をつけたりして生活すること。
  3. 病気や事故で身体が動かしにくかったり、身体の調子が悪かったりする人は、そのことに気をつけて生活すること。
  4. 自分ができることやできないこと、得意なことや苦手なことを知り、行動や感情を調整したり、人に頼んだり、学習や生活がしやすいようにすること。
  5. 運動不足にならないよう運動したり、適切な食事をしたりなど、自分で健康管理をすること。
気持ちや感情、行動のコントロール(心理的な安定)
  1. イライラしたり、落ち込んだり、不安になったり、緊張したりすることなく、落ち着いて生活すること。
  2. 場所や場面、状況や予定が変わった時に、どうしたらよいかわからなくなったり、緊張したり、不安になったりしないで、落ち着いて対応すること。
  3. できないことや苦手なことがあっても、それに対処するために、積極的に取り組もうとすること。
人間関係(人間関係の形成)
  1. 人を信頼して話を聞いたり、話をしたり、人と適切なやりとりをすること。
  2. 他の人の考えや気持ちを理解して、場に応じた適切な行動をすること。
  3. 自分の得意なこと、苦手なこと、行動の特徴などを理解して、他の人と合わせて行動すること。
  4. 他の人の雰囲気に合わせたり、手順やルールを守り、集団活動に積極的に参加すること。
周囲の状況の把握(環境の把握)
  1. 周囲の状況を見たり、聞いたり、感じたりして情報を集めること。
  2. 自分の感じ方や、考え方の特徴を知ること。
  3. 話を聞く、話す、読む、書くことができること。
  4. 覚えること、考えること、判断すること、決めること、推理すること、イメージをすることができること。
  5. 見えるものや聞こえるもの、触ったものに対して、驚いたり不安になったりしたときに、適切な対応をすること。
  6. 見ること、聞くこと、感じることなどに苦手さがある場合、補助する道具や方法を使うこと。
  7. 見ること、聞くこと、感じることなどに苦手さがある場合、自分の力や補助する道具、方法を使って、周囲の状況を把握し、的確な判断や行動をすること。
  8. 見ること、聞くこと、感じることなどに苦手さがある場合、体験や学習したことを使って、解決すること。
身体の動き(身体の動き)
  1. 学習で正しい姿勢を保ったり、運動や作業をしたり、身体をスムーズに動かすこと。
  2. 身体をスムーズに動かすことが難しい場合、運動や動作を補助する道具(装具や車いすなど)を使うこと。
  3. 食事、排泄、衣服の着脱、洗面、入浴などの身の回りのことをする動作や、文字を書くなど学習のための動作をすること。
  4. 歩いたり、車いすなどを使って、自分で移動すること。
  5. 細かい作業を行ったり、指示通りに作業をしたり、作業を続けて行ったり、集中して取り組んだりすること。
コミュニケーション(コミュニケーション)
  1. 自分のことを伝えたり、人の話を聞いたり、日常のコミュニケーションをすること。
  2. 話を聞いたり、文章を読んだり、言葉によって相手の考えを理解したり、自分の考えを伝えたりすること。
  3. コミュニケーションに必要な、物の名前や状態を表す言葉を学んだり、使ったりすること。
  4. コミュニケーションがうまくとれないときに、話し言葉や文字、ジェスチャー、カードなどの方法や手段を使うこと。
  5. 場面や相手の状況によって、自分から適切なコミュニケーションの手段を選んだり、内容を確かめたり、適切な表現ができたりすること。

各学校にいらっしゃる、専門性の高い先生が確実に把握しておきたいポイントをチェックリスト化する取り組みそのものが参考になります💡


自立活動チェックリストの集計表

自立活動チェックリストで記入した生徒さんと先生のデータを集計するツールです。

チェックリスト集計表を使うメリット
  • 困難さや課題がある項目
  • 生徒さんと先生の認識の違い
  • 年度初めと終わりの評価の比較
  • 生徒さんの成長がレーダーチャートで表示

チェックリスト集計表を使って、生徒さんと面談することがとても重要です。

この時に、不得意について話題にすることができます💡

自立活動アセスメントシート

学習指導要領解説に則り、生徒一人一人の実態を自立活動の6区分ごとに分けて整理し、指導目標・指導内容を設定していくために作成するものです。

1年生に関しては前期末を目途に担任の先生が作成し、2、3年生に関しては年度初めに加筆・修正を行うようにされています。

次回「自立活動の授業づくり」

次回の記事は「自立活動の授業づくり」について紹介していきます。

  1. 指導略案
  2. 年間指導計画
  3. 授業づくりのスケジュール

上記の3つについて紹介します。

課題を共有できることが大きな一歩です!チェックリストを使って、生徒と先生が対話をしながら課題設定をするところがポイントになります💡

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