
1. プロンプトに慣れましょう
プロンプト(Prompt)とは、AIに指示を与えるための文章や質問のことを指します。特に、ChatGPTなどの生成AIを活用する際に、適切なプロンプトを作成することで、より効果的な回答を得ることができます。この記事は、プロンプト作成のトレーニングとして研修会等で活用してもらえたらと思います。
特別支援学校の教師がAIを活用する場面として、以下のようなものが考えられます。
- 授業のアイデア出し:特定の障害に適した指導方法を考える
- 教材作成:視覚支援を取り入れた教材の設計
- 個別の支援計画の作成:生徒の特性に応じた対応を考える
- 保護者対応:適切な言葉を選びながらコミュニケーションを取る
- データ分析:授業の振り返りや評価のための情報整理
適切なプロンプトを作成することで、AIの支援を最大限に活用し、業務の効率化や指導の質の向上が可能になります。
2. 良いプロンプトの条件
良いプロンプトを作成するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 具体的に指示を出す
- 目的を明確にする
- フォーマットを指定する
- 専門用語を活用する
- ステップを指定する
3. プロンプトの活用例
例1:教材作成
プロンプト例:「視覚支援を活用したひらがなの指導教材を作成したいです。4〜5歳の発達障害のある子ども向けに、ステップ別の指導方法と具体的な教材のアイデアを教えてください。」
例2:個別の支援計画
プロンプト例:「軽度知的障害のある中学生向けに、社会生活スキルを向上させるための個別の支援計画を作成したいです。支援内容の例と評価方法を提案してください。」
例3:保護者対応
プロンプト例:「特別支援学級に通う児童の保護者向けに、家庭でできる学習支援について説明する手紙を作成してください。シンプルでわかりやすい言葉を使い、300文字以内でまとめてください。」
例4:授業アイデア
プロンプト例:「ダウン症の小学生向けに、楽しみながらできる生活単元学習のアイデアを5つ考えてください。具体的な活動内容も含めて提案してください。」
例5:データ分析
プロンプト例:「過去1年間の学習記録をもとに、児童の成長傾向を分析したいです。エクセルのデータを基に、グラフ化して示すべきポイントを整理してください。」
4. プロンプトトレーニング「演習問題と回答」
演習問題 | 回答(プロンプト例) |
---|---|
演習1 発達障害のある小学生向けに、楽しめる音楽活動のアイデアを考えてください。 | 「発達障害のある小学生向けに、楽しめる音楽活動のアイデアを3つ考えてください。具体的な楽器や活動内容も含めて提案してください。」 |
演習2 自閉スペクトラム症の児童がスムーズに朝の会に参加できるようにするための支援方法を考えてください。 | 「自閉スペクトラム症の児童がスムーズに朝の会に参加できるようにするために、視覚スケジュールや環境調整を取り入れた支援方法を提案してください。」 |
演習3 知的障害のある生徒向けに、お金の使い方を学ぶ授業計画を考えてください。 | 「知的障害のある生徒向けに、お金の使い方を学ぶ授業計画を作成したいです。ステップ別の学習内容と実際の指導活動の例を提案してください。」 |
演習4 重度障害のある生徒向けのICT活用について考えてください。 | 「重度障害のある生徒向けにICTを活用した学習方法を考えています。タブレットやスイッチを活用した具体的な指導方法を5つ提案してください。」 |
演習5 AIプロンプトの活用方法を説明するプレゼン資料を作成してください。 | 「特別支援学校の教師向けに、AIプロンプトの活用方法を説明するプレゼン資料を作成してください。目的・利点・具体的な使用例を盛り込んでください。」 |
演習6 知的障害のある生徒が自立した日常生活を送るためのスキルを学ぶ方法を考えてください。 | 「知的障害のある生徒が自立した日常生活を送るために、身につけるべきスキルとその指導方法を5つ提案してください。」 |
演習7 ASDの児童が対人関係スキルを向上させるための支援方法を考えてください。 | 「ASDの児童が対人関係スキルを向上させるために、実践できる具体的なアクティビティを5つ提案してください。」 |
演習8 低学年の特別支援学級児童向けに、感情のコントロールを学ぶ方法を考えてください。 | 「低学年の特別支援学級児童向けに、感情のコントロールを学ぶための指導方法を5つ提案してください。」 |
演習9 ADHDの児童が集中力を持続できるようにするための工夫を考えてください。 | 「ADHDの児童が集中力を持続できるようにするために、学習環境の調整や指導方法の工夫を5つ提案してください。」 |
演習10 通常学級と特別支援学級の児童が協力して行う活動のアイデアを考えてください。 | 「通常学級と特別支援学級の児童が協力して行う活動のアイデアを5つ提案してください。具体的な実施方法も含めて説明してください。」 |
5. まとめ
AIを活用することで、特別支援教育の現場で役立つ情報を効果的に引き出すことができます。ただし、そのためには適切なプロンプトを作成することが重要です。今回のトレーニングを通じて、より良いプロンプトを作成し、業務に活用できるようにしましょう。
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