特別支援教育において、児童生徒の学習を進めるためには、視覚的な支援が非常に有効です。特に知的障害や自閉症のある子どもたちにとって、視覚情報は言葉よりも直感的に理解しやすく、学習や行動変容に大きく貢献します。
今回紹介する教材
今回紹介するのは、重度の知的障害・自閉症のある児童生徒に向けた、体調管理を学ぶための教材です。この教材は、児童生徒自身が自分の体調に合わせて適切な行動を選択できるようになることを目指しています。
教材の特徴
- 絵カードと文字の併用: 絵カードは視覚的に情報を伝え、文字は理解を助けます。児童生徒の理解度に合わせて、絵カードのみ、または文字のみでも活用できます。
- OK/NGの明確な表示: 適切な行動と不適切な行動を、OKマークとバツマークで明確に区別しています。
- 具体的な行動の提示: 「トランポリンに乗る」「クリームをぬる」など、児童生徒が実際に取るべき行動を具体的に示しています。
- 選択肢の提示: 体調が悪い時に取り得る適切な行動をいくつか提示し、児童生徒が自分で選択できるようにしています。
期待される効果
この教材を活用することで、以下のような効果が期待されます。
- 体調の変化に気づきやすくなる: 自分の状態を絵カードと結びつけることで、体調の変化について意思表示がしやすくなります。
- 適切な行動がとれるようになる: 体調に合わせた対応を学ぶことで、自分で適切な行動を選択できるようになります。
- 自己管理能力が向上する: 自分の体調を把握し、対応できるようになることで、自己管理能力が向上します。
授業での活用例
教科・領域: 自立活動
指導目標: 児童生徒が自分の体調に合わせた対応を学習する。
学習の流れ
- 体調が悪い時を表す絵カードについて説明する。
- OK/NGの行動例を示し、それぞれどのような時にするべきなのかを説明する。
- 児童生徒の体調に合わせて、適切な行動を一緒に選択する練習をする。
- 適切な対応を選択・行動できたらその場ですぐに褒めて行動を強化する。
ポイント
- 児童生徒の理解度に合わせて、教材をカスタマイズする。
- 焦らず、根気強く指導する。
- 児童生徒の小さな成長を認め、成功体験を積ませる。
この教材は、視覚支援の有効性を示す良い例です。児童生徒の理解度や特性に合わせた教材や指導法を選択することで、学習効果を高め、行動変容を促すことができます。 ぜひ、参考にしてみてください。
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