このシリーズで紹介するのは、教員として38年間務めてきた中学校の先生が教育現場で体験したことから学んだ知恵です📕
教育現場をリードし、支援している先生方に役立つ考え方だと思って記事執筆を依頼いたしました😊
熱い思いを持った先生からのメッセージとしてブログ化していきます💡
著者の自己紹介
はじめまして。 サカモトと申します!
某所の公立中学校で38年間、センセ(先生)してました。
定年退職した今は、お母さんや、学校の先生をエンパワメントさせていただくエンパワラーとして活動しています。 (「エンパワラーって何やねん?」って思われた方は、お手数かけますがわたしのブログを覗いてくださいませ。
まずはじめに… この度、このような楽しく、そして深く学べる素敵な場であるHPに導いてくださったモトヨシ先生。 本当にありがとうございます。 モトヨシ先生には、ホンマに感謝しかありません。 かつてわたしが勤務していたA中学校は「モトヨシ先生によって救われた。」と言っても過言ではないからです。 その話、詳しくは、後ほど…。
さて… これから書かせていただくわたしの文章が、おそらくは「○○について知りたい!、学びたい!」って思って読んでくださっているのであろうみなさんのお役に、じゅうぶんお役に立てるのかどうか、甚だ心配ではあるのですが…。
ただ、わたしが38年かけて学校という教育の現場で学ばせていただいたことすべてが、今のわたしにとって何にも代え難い値打ちもんの宝物になっているのは確か。
そんな宝物のうちのいくつかを思い出しながら、みなさんにご披露させていただきたいなって思ってます。
では、みなさん、最後までお付き合いよろしくお願いします。
「こども支援コーディネーター」とは?
わたしの教員生活38年。
そのうちの最後の10年間、わたしは『こども支援コーディネーター』という生徒指導の加配教員としてA中学校に配置されていました。
そんなこども支援コーディネーター、わたしが現場を離れた年から『児童生徒支援コーディネーター』という名前に変わっています。
おそらく、配置するために必要なお金の出所が変わったためでしょう。
こども支援コーディネーター配置にかかるお金が確保できるかどうかに関しては、わたしがこども支援コーディネーターをさせていただいてた頃から、だんだん雲行きが怪しくなってきていたのは間違いありません。
教育委員会から「こども支援コーディネーターが成果を挙げないと予算はつかない。頑張らないと切られてしまう。」と言われ、一定の成果を求められるようになっていましたから。
緊縮財政ですので、国も自治体も教育、特に公立の学校に潤沢にお金をかけられない現状、ありますよね…。そのような状況の中で、生徒指導にだけ資源が回ってくるということはありません。
確かに、かつては校内暴力のような問題行動が生徒指導上の中心的な課題でした。
しかし、そのような問題行動はピーク時に比べて、少なくとも中学校では随分減っています。
こども支援コーディネーターが初めて配置された当時は、中学生のこどもたちの暴力的な荒れは相当ひどかったんですよね…。
その荒れをなんとかするために予算化されたのが、こども支援コーディネーター配置のそもそもの大きな理由だったのです。
でも、その荒れもほぼ沈静化したのだから、もう必要ないだろうっていうのが、財政をやりくりする側の考えなのでしょう。
まあ、当然と言えば当然ですよね。
しかし、暴力的な荒れは沈静化したとは言え、いじめについては、いじめを受けた子がみずから命を絶つという痛ましい出来事が起こっており、社会問題化し始めていました。
またSNSのトラブルを始め、表面には見えにくい問題行動も増加し始めていましたから、適切な対応をするための人手は必要です。
だとしたら
やはり現場にはこども支援コーディネーターが必要!
と考えた教育委員会。
「生徒指導グループに属していたこども支援コーディネーターの機能を進路保障グループに移行させて活かしていこう。」っていう理屈でもって予算をつける、という策で予算を確保したのではないかなって、わたしは思っています。
こども支援コーディネーターの役割
そのような感じで、お金の出どころが変わったこともあって、こども支援コーディネーターが果たすべき役割も少しばかり変わったようですが、肝心なことについては、どうやら継承されているようです。
よかったぁ…。
その肝心なことのひとつに『学校というひとつのまとまりとして、校内組織の中にあるいろんな部署を機能させる』というものがあります。
学年や教科、部会や委員会…。
校内組織のそれらの部署が、バラバラな方向を向いて動くのではなくて、同じ方向を向いて、動くことができるようコーディネートする。
それが、こども支援コーディネーターが果たすべき一番大きな役割や、っていうふうに教育委員会から下りてきた指示を理解して、わたしは動いていました。
わたしがこども支援コーディネーターとして配置された当時、教育委員会の生徒指導グループが熱量高く、こども支援コーディネーターに求めてきたことがあります。 それが…
それまで現場で行われてきた、いじめや問題行動が起こってから指導する『課題解決的な指導』から、いじめや問題行動を起こさせない指導として考え出された『成長を促す指導』に大きく方向転換させていこう、というのが、国立教育政策研究所、文部科学省の考えだったのです。
成長を促す指導の根底にある考え方は「こどもたちの自尊感情と自己有用感を高めることで、いじめ、問題行動に向かわせないようにする」というもの。
わたしは、この考え方には大賛成でした。
なぜなら、当時勤務していた学校のこどもたちの自尊感情は、とんでもないくらい低いものでしたから。
その証拠に、口を開けば「どうせ俺なんて…。」「私なんておらん方がええねん…。」っていうセリフをボソボソと吐き出す子が大勢いたのです。
中には「もう死んでしまいたい…。」って言う子も…。
そうかと思えば、何かをする前から「無理…。」「そんなんできひんに決まってるやん…。」と言って、動こうとしない、何をするにも自信を持つことができない子は、さらに大勢いる、そんな状況でした。
そのような状況でしたから、わたしも…
何とかしてこどもたちの自尊感情を高めたい!
…と強く思っていたのです。
そんなわたしにとって、『上から半ば強制的に下ろされてきた』とはいえ、成長を促す指導は渡りに船でした。
わたしは、こども支援コーディネーターとして、校内の生徒指導の方向を、課題解決的な指導から成長を促す指導に切り替えていくことで、こどもたちの自尊感情を高めよう!と考え、具体的な方法を模索し始めました。
次回は…
次回の記事では「教員生活38年間から得た宝物②~生徒指導と特別支援教育~」についてお伝えします。
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