2024年は、多くの新しい挑戦と発見に満ちた一年でした。今年は特別支援教育の現場におけるAI活用や教育支援ツールの開発、研究を通じて、多くの実りある成果を得ることができました。
本記事では、それぞれの取り組みについて振り返りつつ、得られた知見を皆さんと共有します。
1. 特別支援教育に関するAIチャットボットの開発
特別支援教育における教員支援を目的としたAIチャットボットのプロンプト設計を行いました。このチャットボットは、道徳教育や教科教育をサポートする機能を備えています。プロンプトには、具体的な例や専門用語を盛り込み、教員が直感的に利用できるよう工夫しました。この開発を通じて、AIの可能性を教育現場でどのように活かすかを深く考える機会となりました。
2. 多言語対応チャットボットの開発
「ことのは・ソフィア・リンク」と命名した多言語翻訳チャットボットを開発しました。このツールは、学校教材の多言語翻訳を容易にし、国際的な教育現場でのコミュニケーションを支援する目的で設計されています。利用者が特別なアカウント登録を行わずに使える仕様で、多様な教育現場での活用が期待されます。
3. レジリエンス調査と教育への応用
レジリエンスに関するアンケートを設計し、楽観性、行動指向性、社会性、自己理解、問題解決志向といった要素を評価できるようにしました。また、小学校4年生の国語授業にレジリエンスを育む活動を取り入れる試みも行いました。子どもたちの学びの場に新たな視点を加えられたと感じています。
4. 心理的課題へのAI活用
認知の歪みや偏った思考に気づくためのAIチャットボットを開発しました。利用者に対して、直接的かつ親身なフィードバックを行うことで、自己認識を促進する狙いがあります。このチャットボットは特別支援教育だけでなく、一般の教育現場でも活用可能性があると考えています。
5. インタラクティブゲームの開発
特別支援学校向けに、タイピングゲームやシューティングゲーム、ナンバーパズルなど、ICTスキルの向上やコミュニケーションを支援するゲームを開発しました。また、「キャプテンの指令」という自己開示や面接練習を促進するゲームも開発し、授業内外で楽しく活用できる内容を目指しました。
6. Google Apps Scriptによるデータ集計ツールの開発
Google Formsを活用し、データの集計と分析を自動化するスクリプトを開発しました。評価コメントの集約や平均値の算出を簡単に行える仕組みを構築することで、研究データの分析作業が効率化しました。
7. 自立活動のカリキュラム研究
特別支援学校における自立活動の指導内容を整理し、指導案を作成しました。この研究では、生徒一人ひとりの特性やニーズに寄り添った指導の工夫を重視し、実践的な指導案を複数設計することができました。
8. 特別支援学校における数学の研究
特別支援学校高等部向けの数学指導に焦点を当て、ユニットプランと授業配慮事項をまとめました。生徒の日常生活に関連する課題を解決する数学授業の設計や、独自の評価基準を用いたフィードバック方法の研究を通じて、数学への理解を深める授業づくりに取り組みました。
9. WordPressを活用した情報プラットフォームの構築
PDFをJPGに変換するサービス、ゲームコーナー、クイズ形式の教材配信など、多機能なプラットフォームを構築しました。特別支援教育の現場で役立つ実用的なウェブツールを提供し、教員の作業効率化に寄与しました。
10. 新規AIサービスの立ち上げ
アカウント登録不要で利用できる音声通信対応のチャットボットを設計しました。このサービスは、特別支援教育の分野だけでなく、一般的な教育や業務支援の場面でも幅広く活用できる可能性を持っています。
11. 特別支援教育向けの教材研究
カリキュラム内容リストに基づいた問題生成チャットボットを開発しました。また、体育の授業計画を支援するAIプロンプトを作成し、教師の授業準備を効率化する手助けを行いました。
2025年に向けて
2024年を通して、特別支援教育におけるAIの可能性や、実践的な教材・ツールの開発に挑戦してきました。これらの成果は、教育現場での負担軽減や学びの質向上につながると確信しています。2025年には、さらにこれらの研究を発展させ、教育の未来を切り拓く一助となることを目指します。
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